盛岡中央高等学校
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中央高校のICT教育

ICT

Information and Communication Technology 」の略。
パソコン、タブレット、インターネットなどの情報通信技術を
活用した教育手法を意味します。

iPadの利用で推進する教育現場

iPadの利用で推進する教育現場

盛岡中央高校では、教育環境や社会環境の変化に対応し、岩手県内の公立学校に先駆けてICT教育に取り組んできました。その具体例の一つが「生徒一人一台のiPad 利用」です。

日本が目指す未来社会のコンセプトとして内閣府が提唱するSociety5.0に「情報化によるイノペーションですべての人とモノがつながる様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで社会課題を克服する」とあります。それらの背景として文科省から今年度「生徒一人一台コンピュータ」の実現を目指したGIGAスクール構想の実現が併せて謳われています。

盛岡中央高校のiPad活用例をご紹介します。

盛岡中央高校におけるiPad利用について

盛岡中央高校におけるiPad利用について

iPadは「文房具」として学習の支援に活用するもので、 あくまでも手段です。 使用するiPadにはi-FILTER (Webフィルタリングソフト)やデバイス管理ソフトが入っていて、 必要のないものは使えないように設定してあり、危険が及ばないように細かな設定をしています。

例えば、危ないサイトにアクセスできないように制限をかけたり、 紛失時にはリモートロックやリモートワイプで端末を守るなど、 学校が端末を守っているため安心して使用することができます。また、授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」や辞書アプリ「Brain+」や「Classi」などのアプリを入れて、 様々な場面での生徒の新しい学びを推進しています。

iPad活用の教科事例

数学様々な考え方に触れる機会をつくる

田村祐太 教諭

ClassiのWebテスト機能を利用した小テストでは紙媒体で実施した時と比べ、準備や採点にかかる時間の削減とペーパーレス化につながっています。また、生徒たちの解答状況や正答率がリアルタイムで出るため、効率的に授業が進みます。ロイロノートを利用した授業では各生徒の解答をカメラアプリで撮影し、その画像を授業者へ提出させるとクラスで共有できます。 これは解答の確認はもちろん、別解や複数の考え方に触れる機会を容易に確保できる大きなメリットです。

英語生徒同士の学び合いが可能に

佐藤由季也 教諭

英語表現Iで活用しているロイロノートによる学びの振り返りやペア同士でのプレゼンテーションによりアウトプットの機会が増え、学びを可視化・共有できます。具体的な活動としては、ペア同士でプレゼンの動画を撮影し合い、ロイロ上で提出。提出された動画は他の生徒にも共有されるので、生徒同士でコメントやフィードバックをし合う機会が生まれ、生徒-教員間だけでなく、生徒同士の学び合いが可能になりました。また、辞書アプリBrainを活用しての辞書指導では、このアプリの強みである「読み上げ」機能により、生徒は分からない単語や調べたい例文を音声付きで確認ができます。

社会「考える」姿勢を身につけるために

石川圭一郎 教諭

社会科の授業は活字中心になりやすいので、生徒の興味関心を引き出すと同時に思考させるための材料として視覚に訴える資料を提示し、関連した課題に取り組ませ提出させました。利点は、これまでの黒板を使った授業よりも膨大な情報を提供することができることと、ロイロノートはオンライン上で瞬時に配布と提出可能なこと。これを授業内で繰り返す中で、反射的に「これは何?」と疑問を持ち「考える」ことができる姿勢を身につけさせたい。生徒は時間をかけて出した答えよりも、すでにある正解を求める傾向があります。そのため一時的に端末操作をロックしたり、閲覧しているサイトのチェックをしたりなどの注意を払っています。

保健体育YouTubeを活用しながらダンスを習得

杉田陽子 教諭

女子のダンス授業でタブレットを活用しています。グループを作ってアイドルなどのダンスをYouTubeを活用しながら習得し、現在はミュージックビデオだけでなく、振り付け動画なども配信されており、生徒たちが必要なものを探して、何度も見ながら、リーダーが中心になって教え合って覚えていきます。さらに振り付けだけではなく、人数に応じて移動体系などもアレンジしながらダンスをコピーして作り上げ、クラスの仲間と協力しながら、より良いコピーダンスを作ろうと積極的に楽しんでいます。単元の最後には発表会で担任の先生方に披露しています。クラスの女子の団結力も深まり、音楽に合わせて踊ることに関心が深まる良い機会となっています。

生徒の感想

みんなの意見をiPadに集め、それを共有してみんなと簡単に意見交換ができた

数学の小テストでは、平均点の割り出しがすぐにできて、効率が良かった

英語ではロールリーディングやシャドーイングの活用が良かった

分からないことがあればすぐ調べることができ、写真や図などが見やすかった

iPadを使った授業のほうが自分のこれからの人生で
重要な能力をつけることができると確信している

後輩へのアドバイス

ルールを守ればとても良いものなので、使い方次第で成績アップにつながる。

辞書アプリの機能をうまく利用できれば、分からない単語を検索できたり、理科や社会科の用語集などの便利な機能が様々あるので勉強に役立てることができる。

まとめ

盛岡中央高校では2019年度に生徒一人一人が使えるような個人用のiPadを導入し、授業や総合的な学習の時間、部活動など、様々な場面で活用しています。これは、今後来たるデジタル革新による高度情報化社会を見据えて、生徒一人一人が情報を主体的に使いこなす能力(情報リテラシー)を育て、学習能力の向上を目標としています。そのため通常のiPadの機能を制限しつつ、学習活動で有効的に活用できるよう、様々な設定を施しています。

2019年12月に令和時代のスタンダードな学校をと、2022年度までに「すベての児童生徒に一人一台コンピュータ」として文部科学省が示した施策「GIGAスクール構想」に先んじて、盛岡中央高校では時代の最先端を進むべく、すでに「一人一台iPad」を実践し、教育現場での利用を進めています。これからのさらなる発展をご期待ください。

ICT委員長 梅木翔太